邦画って、ハリウッドの大作映画とは違った面白さがありますよね。当たり前ですが、日本語で、そして日本人としてまっすぐに受け止めることのできるストーリーは、心の深いところで感動をもたらしてくれます。過去の名作を忘れないという思いで、1990年代以前に製作された邦画を対象に、人に勧めたくなるような「観るべき映画」をアンケートしました。名作揃いのランキングになっていますので、ぜひご覧ください!
TOP20一覧
- 1位踊る大捜査線 THE MOVIE (224票)
- 2位ハチ公物語 (116票)
- 3位男はつらいよ※シリーズ (109票)
- 4位戦場のメリークリスマス (96票)
- 5位南極物語 (93票)
- 6位打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (91票)
- 7位鉄道員(ぽっぽや) (83票)
- 8位犬神家の一族 (82票)
- 9位砂の器 (79票)
- 10位幸福の黄色いハンカチ (77票)
- 11位キングコング対ゴジラ (76票)
- 12位セーラー服と機関銃 (75票)
- 13位日本のいちばん長い日 (70票)
- 14位Shall we ダンス? (66票)
- 15位キッズ・リターン (60票)
- 16位家族ゲーム (58票)
- 17位黒部の太陽 (57票)
- 18位がんばっていきまっしょい (55票)
- 19位ビルマの竪琴 (53票)
- 20位日本沈没 (52票)
ランキングの集計方法
調査方法:10~30代の男女(性別回答しないを含む)を対象に、株式会社CMサイトがインターネットリサーチした「【名作邦画】1990年代以前の観るべき日本映画ランキング」のアンケート結果を集計。(有効回答者数:2,754名/調査日:2020年2月29日)
第1位:踊る大捜査線 THE MOVIE (224票)
- こういう映画、実はあんまりないですよね。また見たい
- 考えさせられる映画もいいけど、老若男女楽しめる映画といえばこれ
- 笑えて、泣けて、観たあとは元気になるから
刑事ドラマなのに超娯楽大作!第1位は踊る大捜査線 THE MOVIE!
フジテレビのドラマ「踊る大捜査線」の映画版として製作された超娯楽作品が第1位に選ばれました!1998年(平成10年)公開のこの映画は、観客動員700万人、興行収入100億円を超える大ヒット作です。織田裕二さん演じる青島俊作のまっすぐに突き進んでいく突破力がとにかく痛快です。刑事ドラマと言えば邦画・洋画を問わず数多くの作品が作られてきたジャンルですが、この「踊る大捜査線 THE MOVIE」が2位のダブルスコアに近い得票を集めたのは、それだけ優れた作品であることの証左ですね。
第2位:ハチ公物語 (116票)
- まぶたが腫れて目が開かなくなるくらい泣きました
- まずハチが可愛い。そしてキャストの演技(ハチ含む)が自然で押し付けがましさがない。それでいて、心に響くメッセージがある。全人類が観た方がいい映画
- 今や観光地と化した渋谷の貴重な昔の風景が見られる
健気ゆえの哀しさに号泣必至!第2位はハチ公物語!
毎日渋谷駅まで飼い主の大学教授を送り迎えする秋田犬のハチ。健気でかわいいその姿は、仲代達矢さん演じる教授の急死によって健気で哀しすぎる姿に映るようになります。1987年公開のこの映画は、忠犬ハチ公の逸話として広く知られているストーリーながら、感動必至の作品として多くの観客を集めました。2009年にはリチャード・ギアさん主演でハリウッドリメイク版が公開されました。
第3位:男はつらいよ※シリーズ (109票)
- 日本人の心の故郷です
- 下町の人情と情緒が懐かしく、また男のロマンがよく表現されている
- 出演している役者陣が素晴らしい。長い時間軸でシリーズを通して楽しめる。自分も作品の世界の住人になったような気持ちになれる
寅さんって邦画界最強キャラかも!第3位は男はつらいよ※シリーズ!
渥美清さん演じる「車寅次郎」を主人公としたシリーズ映画。1969年(昭和44年)の第1作目から1997年(平成9年)の第49作まで続いた、日本の人情コメディの代表作ですね。寅さんが旅に出る→旅先でマドンナに恋をする→マドンナも寅さんを慕う→柴又「とらや」でいろいろ→寅さんマドンナに振られる→寅さんまた旅に出る…という様式美とも言える毎度おなじみのストーリー展開で観客を安心させてくれます。そして昨年(2019年)末、50周年・50作目の特別作品が公開。山田洋次監督が、過去の寅さんの映像とシンクロした「その後」の物語を見せてくれました。
第4位:戦場のメリークリスマス (96票)
- 戦争の悲惨さを、独特のアングルから捉えている
- デヴィッド・ボウイが坂本龍一にハグする場面にドキリ
- 坂本龍一作曲の、あのテーマ曲、ちょっぴり悲しげで好き
異色キャストで戦争を描いた名作!第4位は戦場のメリークリスマス!
デビッド・ボウイさん、ビートたけしさん、坂本龍一さんら異色のキャスティングで製作された戦争映画です。戦闘シーンが全くない、でもれっきとした戦争映画。大島渚監督が俘虜収容所を舞台に描こうとしたものは、欧米の倫理観、宗教観などと照らし合わせた日本人の精神性。そしてジェンダーを超えた美しい愛をあの名曲がより強く印象づけています。1983年(昭和58年)公開。
第5位:南極物語 (93票)
- 学生時代に先生に薦められて嫌々見たところ涙が勝手に溢れてきて止まりませんでした。自分の視野の狭さ、優しさの狭さ、愛情の狭さ諸々考えさせられる映画でした。10代のうちに見たほうが良いと思います
- 使われている音楽がとても良くて印象的
- 壮大な自然と、動物とのふれあい、悲しさ。何度見ても感動する
南極で生き延びた兄弟犬の実話!第5位は南極物語!
南極・昭和基地に致し方なく取り残されることとなった樺太犬たち。絶望視される中、タロとジロの兄弟犬が生き残り越冬隊員と奇跡の再会を果たす実話です。最悪の環境下における犬たちの苦闘、置き去りにしてきた犬たちへの思いに苦悶する隊員たちのドラマ、そして自然の脅威を捉えた極限の地の映像、これらが1つの物語として積み重なった感動の大作となっています。高倉健さん、渡瀬恒彦さんらが出演。1983年(昭和58年)公開作品。
第6位:打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (91票)
- アニメ版もあるけどまずは実写版を観てほしい!このタイミングでしか撮影できなかった奇跡のような役者たちの煌めき
- 間違いなく後世に残る傑作。夏になると必ずこの作品を思い出します
- なつかしさが詰まっている。少年時代、夏、恋、故郷。平成一桁代に子供だった人へ特におすすめ
無垢な少年性を美しい映像で表現!第6位は打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
岩井俊二さん監督・脚本の作品です。少年少女たちによる恋愛の萌芽を題材に、少年性の無垢な輝きが岩井監督ならではの脚本と映像美で表現された秀作です。1993年(平成5年)にテレビドラマとして放映され、その2年後(平成7年)に映画として公開されました。2017年(平成29年)公開のアニメ作品が記憶に新しいのですが、もともとは実写映画だったんですよ。
第7位:鉄道員(ぽっぽや) (83票)
- 北海道×高倉健にハズレはないのかもしれない
- 鑑賞中号泣に次ぐ号泣。ラストはさらに一番泣いた
- 北海道の静かな風景が胸に響く。美しい映画
高倉健さんのための映画といっても過言ではない!第7位は鉄道員(ぽっぽや)!
愚直に勤めてきた鉄道の廃線と自らの定年退職の双方を控えた駅長の生き様と、その彼へのギフトのように繰り広げられるファンタジーが1つの物語として描かれた作品。降りしきる雪の中で仕事を全うし続ける鉄道員の姿は、高倉健さん以外に考えられないほどのはまり役でしたね。原作は浅田次郎さん、1999年(平成11年)公開の名作です。
第8位:犬神家の一族 (82票)
- 一族の負の部分である過去が、ひとりの女性のエゴによって暴かれる。その過程の殺人が衝撃的な映像で、誰もが知っている首無し逆さま死体の映像がこの作品の評価を押し上げている
- 色々な役者が演じた役だが、石坂浩二演じる金田一耕助が一番物語のおどろおどろしさとマッチしている
- 映画ポスターのショッキングさといったら!邦画史上ナンバーワンかも
邦画史に残る異様な映像美!第8位は犬神家の一族!
1976年公開、横溝正史さん原作の推理小説を映画化した作品です。角川書店が映画界に進出し、角川映画と言われる作品群の初作品となった映画がこの「犬神家の一族」。資産家の遺産相続をめぐって発生するさまざまな事件の真相解明に、石坂浩二さん演じる金田一耕助が挑みます。「湖に刺さる人体」や「ゴムマスク」など異様かつ美的な映像に注目が集まりました。市川崑監督、渾身の一作です。
第9位:砂の器 (79票)
- 山陰の吹雪の中を歩く貧しい父と子の姿は、目に焼き付いて忘れられない
- 人生の理不尽がわかる
- 年齢が変わる度に感想が変わるのでなんども見るべきだと思う
理不尽な差別に挑んだミステリー!第9位は砂の器!
松本清張さん原作の推理小説を映画化。ただ、この映画は殺人事件をキーとした単なるミステリーにとどまらず、ハンセン病に対するいわれなき差別にフォーカスし、理不尽な社会の在り様をスクリーン上に顕在化させて見せたセンセーショナルな作品でもありました。1974年(昭和49年)公開、監督は野村芳太郎さん。数多くの映画賞を受賞した不朽の名作です。
第10位:幸福の黄色いハンカチ (77票)
- 高倉健を変えた作品
- この作品はわかっていても必ず泣ける
- 世間になかなか順応できない『不器用な人間』でも、きちんと人生の中に1本の筋を通せば、生き様を誰かが必ず見ていて、必ず良いことが訪れるという人生の教訓に共感できる
邦画ロードムービーとしても秀逸!第10位は幸福の黄色いハンカチ!
映画にはロードムービーというジャンルがあって、旅を続けていく中で起こるさまざまなエピソードを1つの物語として綴っていく作品を指します。この映画は北海道を舞台とした、日本を代表するロードームービーのひとつ。刑務所を出所して間もない男を演じる高倉健さんを中心に、武田鉄矢さん・桃井かおりさんがしっかりと脇を固め、ある大切な目的に向かって車を走らせていきます。タイトルにも示された黄色いハンカチがはためくラストシーン、涙なくして見ることができない名場面ですね。監督:山田洋次さん/1977年(昭和52年)公開。
第11位:キングコング対ゴジラ (76票)
1962年(昭和37年)、日本が世界に誇る怪獣「ゴジラ」と、ハリウッドが生んだスター怪獣「キングコング」が共演した歴史的作品が公開されました。ゴジラシリーズの観客数としては最大の1120万人を動員した大ヒット作。日米スターのコラボは商業的にも大成功でした。特撮を担当したのは、ウルトラマンシリーズをはじめとする特撮作品で著名な円谷プロダクションを興した円谷英二さん。娯楽映画としての製作陣の熱量がひしひしと伝わってくる作品です!
第12位:セーラー服と機関銃 (75票)
高校生の女の子がひょんなことからヤクザの組長となって、対立する暴力団と抗争を繰り広げるという赤川次郎さん原作の小説を映画化。主演の薬師丸ひろ子さんはこの映画で女優としてブレイクしました。監督は相米慎二さんで、1981年(昭和56年)の年末に公開されています。クライマックスの高校生組長がマシンガンを撃つシーン、割れたガラスが薬師丸さんの顔に当たり流血するハプニングがそのままフィルムに収められ話題になりました。そのシーンでの一言と主題歌によって、薬師丸さんがアイドルとして一気に脚光を浴びることとなりました。
第13位:日本のいちばん長い日 (70票)
太平洋戦争を終結させるための昭和天皇による聖断から玉音放送に至るおよそ1日間(1945年8月14日〜15日)…昭和史に残る判断をしたこの1日を、原作ノンフィクションに基づいて岡本喜八監督が冷静に描き切った作品。1967年(昭和42年)公開。当時の日本を代表する男優陣がフルキャストとも言える規模で出演しており、戦争史としても映画作品としても貴重なものとなっています。戦後70年にあたる2015年(平成27年)にも再び映画化されました。
第14位:Shall we ダンス? (66票)
役所広司さん・草刈民代さん主演の社交ダンス教室を舞台としたコメディ映画。過去の隆盛が落ち着いていた社交ダンスに光をあて、改めてブームを起こしたほどの大注目を集めた作品です。周防正行監督による1996年(平成8年)公開の作品。世界19カ国でも公開され、2004年(平成16年)にはリチャード・ギアさん主演でハリウッドでもリメイクされました。大貫妙子さんによる主題歌が印象的ですね。
第15位:キッズ・リターン (60票)
「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかなぁ?」「バカヤロウ!まだ始まっちゃいねーよ!」ラストシーンで自転車二人乗りのマサルとシンジが交わすこの言葉、日本映画史に残る名セリフとも言われます。北野武監督による残酷でやるせなくて若者の苦悩で塗り固められたような映画。でも、ちゃんと未来を感じさせてくれる青春ムービーです。1996年(平成8年)公開。カンヌ国際映画祭出品作品。
第16位:家族ゲーム (58票)
「ブラックレイン」公開直後に亡くなった松田優作さんの、邦画における代表作品とも言える映画が「家族ゲーム」です。1983年(昭和58年)公開で、監督は森田芳光さん。高校受験を控えた中学生(宮川一朗太さん)と家庭教師(松田優作さん)、そして中学生の両親や兄たちとが織りなす狂気じみた(まるでゲームのような!)関係が描かれています。家族と家庭教師が横並びで食事をするシーンが演劇的でシュール。『キネマ旬報」誌で「1980年代日本映画ベストテン」の第1位に選ばれています!
第17位:黒部の太陽 (57票)
黒部第4ダム建設の難工事を、そこに絡む人間ドラマと合わせて迫力ある映像で描いた作品。国内土木建築における世紀の大規模工事を、そのままのスケール感で描き出した大作で、邦画史における金字塔とも言われています。1968年(昭和43年)公開作品で、もちろんCGなど一切使われず、制作における労苦も相当であったとのこと。石原裕次郎さん、三船敏郎さんをはじめ昭和の大スターたちによるまさに体を張った演技により、日本映画の伝説とも言えるような貴重な映画となっています。
第18位:がんばっていきまっしょい (55票)
1998年(平成10年)公開。愛媛県の高校ボート部を舞台とした、スポ根で青春で学園ドラマでちょっと甘いドキドキもあったりして「高校生もの」の王道のような良作です!主演はこの映画が女優デビューとなった田中麗奈さん。撮影当時17歳だった田中さんのアオハル高校生っぷりが清々しくって、ボートが走っていく水面にも負けないぐらいのキラキラな演技が印象的。テレビドラマ化もされ、そちらも大人気でしたね。
第19位:ビルマの竪琴 (53票)
ビルマ(現ミャンマー)で敵軍の攻撃により玉砕した日本軍兵士の霊を慰めるために、生き残った水島上等兵は彼の地に残り、僧になることを決意。もともと児童文学作品であったこの映画は、太平洋戦争を題材に、日本軍兵士たちの友情と共に、戦争の愚かさをもしっかりと描き出しています。監督は市川崑さん、水島上等兵を演じたのは中井貴一さん。1985年(昭和60年)公開のこの映画は、同じ市川監督によって1956年(昭和31年)にもモノクロ映画として三國連太郎さん、安井昌二さん他のキャストで制作されています。
第20位:日本沈没 (52票)
昭和48年(1973年)末に公開され、1974年の邦画配収No.1となった大ヒット作品。小松左京さんのSF小説を原作に、地殻変動によって日本列島が海に沈んでしまうという事態に直面した国内のカオスを、科学的アプローチも交えて描いたまさに「日本のサイエンス・フィクション」映画の代表作のひとつです。平成18年(2006年)には草彅剛さん・柴咲コウさん主演でリメイク。また今年2020年はアニメ版の公開も予定されている名作です。
【名作邦画】1990年代以前の観るべき日本映画ランキングTOP20!
様々なジャンルの映画が集まりましたが、得票数としては大接戦となりました。ランキング=作品の優劣ではなく、ここに挙げられた作品群がいずれも甲乙つけがたい名作であることを示していますね。
以上、10~30代の男女(性別回答しないを含む)2,754名が選んだ「【名作邦画】1990年代以前の観るべき日本映画ランキング」でした。あなたが好きな邦画はランクインしていましたか?
有効回答者数:2,754名
調査日:2020年2月29日