今回はウェブアンケートにて総勢10,927名に調査した<広島弁!意味が難しい広島の方言ランキング>を発表します。「じゃけえ」「ほうじゃのう」「われ」など怖いイメージを持たれがちな広島弁。任侠映画「仁義なき戦い」などの影響もあるのでしょうが、実際は女性が使うかわいらしい方言も多いのです。じゃけん知れば知るほど奥が深い、ぶち難解な広島弁をほいなら紹介しましょう。さっそくランキングをチェック!
TOP10
- 1位ほぼろを売る(妻が実家へ逃げ帰る) (840票)
- 2位がっそう(髪が伸びた) (492票)
- 3位だんだん(ありがとう、感謝の意) (477票)
- 4位ぼーぶら(南瓜、かぼちゃ) (334票)
- 5位まつぼり(内証金、へそくり) (314票)
- 6位きょーとい(恐ろしい、こわい、不安だ) (313票)
- 7位わかた(私の家) (300票)
- 8位みてる(なくなる) (292票)
- 9位もとーらん(つまらない、首尾一貫しない) (287票)
- 10位のすける(手渡す、近寄せる) (284票)
ランキングの集計方法
調査方法:株式会社CMサイトがインターネットリサーチした<広島弁!意味が難しい広島の方言ランキング>のアンケート結果を集計。
※有効回答者数:全年代の男女(性別回答しないを含む)10,927名/調査日:2023年4月12日
第1位:ほぼろを売る(妻が実家へ逃げ帰る)(840票)
- 妻が実家へ逃げ帰る、という状況をワンフレーズで表す言葉があるなんて驚いたから
- 語感だけでは、想像できない!
- ほぼろ?売る…?全くわからない!難しい
げに難解!1位は「ほぼろを売る」!
難解な広島弁の1位にランクインしたのは「ほぼろを売る」。野菜や果物を入れるかごのことを「ほぼろ」と言うそうです。腰から下げて使っていたとか。つまり「ほぼろ」は家事をする主婦には、なくてはならないものなのです。それを売ってしまったら主婦が家事を放棄することにつながります。ですから「ほぼろを売る」とは「妻が実家に逃げ帰る」という意味合いになります。
第2位:がっそう(髪が伸びた)(492票)
- 他県の人は全然理解できないと思う
- なんとなく響きが可愛いですね
- 標準語には髪が伸びた、という文章を一単語で表すという感覚がないから驚いた
朝起きたとき大がっそうになっちょるよ!2位は「がっそう」!
広島県だけでなく岡山県でも使われている「がっそう」が2位に入りました。「髪が伸びてボサボサ」のことを指す方言です。単語一語で「髪の毛ボサボサ」状態が表せるとは便利ですね。「大がっそう」となると、相当髪の毛が伸びている状態のことです。漢字で表記すると「兀僧」になります。
第3位:だんだん(ありがとう、感謝の意)(477票)
- だんだんと言われたら、続きの言葉を待ってしまうかも
- 違う意味もあるからややこしい
- ありがとうなの?! 想像つかない~
朝ドラのタイトルじゃけえね!3位は「だんだん」!
広島県のみならず西日本で使われる「だんだん」が3位。意味は「ありがとう」です。少し照れる時は「だんだん」のほうが言いやすいかもしれませんね。「いろいろ」「重ね重ね」という意味で「だんだん」を用いる地域もあります。2008年から2009年にかけて放送されたNHKの朝ドラ「だんだん」は、この方言からタイトルがつけられました。
第4位:ぼーぶら(南瓜、かぼちゃ)(334票)
4位は「ぼーぶら」!
- 広島生まれですが知りませんでした…
- かぼちゃを連想できない!
- 昔からの広島弁は、東北・沖縄訛りに匹敵するほど理解が難しい!
4位は「南瓜」「かぼちゃ」を意味する「ぼーぶら」です。ポルトガル語でかぼちゃの「abōbora」(アボーボラ)が由来とされ、西日本の広い地域で用いられています。「もうすぐハロウィンじゃけえ、ぼーぶら持ってきた」のように使っている家庭も多いでしょう。
第5位:まつぼり(内証金、へそくり)(314票)
5位は「まつぼり」!
- 聞いたことすらない!松ぼっくりかなと思っちゃう
- 標準語と結びつきにくいので、難しいですね
なかなかの難易度の「まつぼり」が5位。意味は「内証金」「へそくり」です。「一つにまとめる」を表す古語の「まつべる」が転じて「まつぼり」になったという説があります。「夫に内緒で、何万円もまつぼりを貯めた」のように使います。大昔から「へそくり」は存在したようです。
第6位:きょーとい(恐ろしい、こわい、不安だ)(313票)
6位は「きょーとい」!
- 響きがちょっと怖いのでなるほどなと思った
- 聞いたことある!広島の言葉は面白いなあ
「恐ろしい」「こわい」「不安だ」という意味の「きょーとい」。岡山県でも使われています。「ひとけがなくて気味が悪い」という意味の古語「気疎し」(けうとし)が変化したものとのこと。岡山県出身の岩井志麻子さんの小説に「ぼっけえ、きょうてえ」という作品がありました。「すごくこわい」ということです。
第7位:わかた(私の家)(300票)
7位は「わかた」!
- わかった!と言われているのかと勘違いしちゃいそう
- 私の家ってこと?なるほど~
「私の家」をさす「わかた」が7位にランクインしました。「わかった」を略して「わかた」というわけではありませんので、お間違えのないように。「わかたで野菜が採れたけえ、取りにきんさい」と言ったら「私の家で野菜が採れたから、取りに来て」という意味になります。
第8位:みてる(なくなる)(292票)
8位は「みてる」!
- 『見てる』と響きが一緒なので混乱しちゃう
- 想像できる意味と全く違う!
何で「みてる」が「なくなる」という意味なの?と思う人も多いでしょう。早口言葉のような「みていたら、みるみる、みててしまった」と言えば「見ていたら、たちまち、なくなってしまった」ということになります。反対の意の「満てる」と間違える人も多いのでは。
第9位:もとーらん(つまらない、首尾一貫しない)(287票)
9位は「もと―らん」!
- 初めて聞いた!
- 面白いし良い響き
「つまらない」「首尾一貫しない」「筋が通らない」といった意味の「もと―らん」。子どものころ「もと―らんことばっかり言いなさんな」と親から叱られた広島出身の人も多いのではないでしょうか。
第10位:のすける(手渡す、近寄せる)(284票)
10位は「のすける」!
- 外国語かと思っちゃう。本当にわからない!
- 不思議な響き
広島県北や年配の方たちの間でよく使われる「のすける」。知らない人からすると全く意味が分からないと思いますが、標準語で「手渡す」や「近寄せる」ということです。「テーブルの上の携帯電話をのすけてや~」と言われれば「テーブルの上の携帯電話を手渡して~」という意味になります。
広島弁!意味が難しい広島の方言ランキングベスト10
以上、全年代の男女(性別回答しないを含む)10,927名が選んだ<広島弁!意味が難しい広島の方言ランキング>でした。
有効回答者数:全年代の男女(性別回答しないを含む)10,927名
調査日:2023年4月12日