方言の種類が豊かな日本。例えば「疲れた・しんどい」という言葉ひとつでも、地域によって表現が異なります。そもそも「しんどい」も、もとは関西弁として使われていたのがTVなどの影響で今や全国で使われるようになった言葉ともいわれています。
「うたたん」「ちきない」「こいじゃ」などの関東圏では耳慣れないフレーズや、「こわい」「えらい」「ほっこりした」などの、意味を間違えてとってしまいそうな方言も、全部「疲れた・しんどい」という意味!そこで今回はウェブアンケートにて総勢8,663名に調査した<地域によって違う「疲れた・しんどい」おもしろ方言ランキング>を発表します。どの地域の方言が一番ユニーク?気になる方はさっそくランキングをチェック!
TOP10
- 1位ほっこりした(京都、三重、滋賀など) (1,240票)
- 2位うたたん(沖縄) (929票)
- 3位がおった(宮城、山形など) (704票)
- 4位こわい(北海道、福井、茨城、栃木など) (676票)
- 5位えらい(大阪、愛知など) (536票)
- 6位おたった/こいじゃ(青森) (533票)
- 7位まぐれた(長崎など) (525票)
- 8位ものい、ちきない(石川など) (458票)
- 9位こうぇー(岩手、秋田など) (437票)
- 10位けったりー(埼玉、茨城など) (425票)
ランキングの集計方法
調査方法:株式会社CMサイトがインターネットリサーチした<地域によって違う「疲れた・しんどい」おもしろ方言ランキング>のアンケート結果を集計。
※有効回答者数:10~50代の男女(性別回答しないを含む)8,663名/調査日:2025年5月13日
第1位:ほっこりした(京都、三重、滋賀など)(1,240票)

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- ほっこりした…がまさか『疲れた』なんて~!全然意味が違い過ぎておもしろい
- 逆に疲れが取れた?って思います。不思議だねと思いました
- よく使います。可愛いと思いますね
“疲れ”は“疲れ”でもニュアンスがちょっと違う?! 1位は「ほっこりした」!
「ほっこりした」は京都府、三重県、滋賀県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。ちなみに同じ「ほっこりした」という方言でも、地域によって「疲れた・しんどい」の度合いが違います。滋賀県などでは「とても疲れた」時に使うのに対し、京都府などでは仕事をやり遂げたときなどの「心地よい疲れ」というニュアンスで使われます。同じ言葉でも地域によっても意味が少し違ってくるのが方言の難しさでもあり面白さでもありますね!
第2位:うたたん(沖縄)(929票)
- うたたんとか、可愛いくて疲れた感じがしない
- 全く想像がつかないが、響きが優しい
- 響きがかわいくて癒やされる
- 沖縄の言葉はなんだかゆったりした感じがする
ゆるキャラの名前ではありません!2位は「うたたん」!
「うたたん」は沖縄県で使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。方言の意味からは想像できない可愛らしい響きなので、何かのキャラクターにつけられた名前のようにも思えますね。もし沖縄県出身の方が、仕事の後などに「うたたん」と言っていたら、ぜひ沖縄県の方言で「うたいみそーちー(お疲れ様)」と返してあげてください!
第3位:がおった(宮城、山形など)(704票)

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- かわいい感じがする
- この方言は今まで聞いたことがなく、非常にユニークな感じがする
- 生で聞いてみたい
動物の鳴き声のマネではありません!3位は「がおった」!
「がおった」は宮城県、山形県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。この言葉には「弱る」や「がっかりする」、「困る」といった意味もあります。宮城県や山形県に行ったときに「がおった」という人がいたら、具合が悪そうにしていないか確認するのがいいかもしれません。逆に、自分が具合が悪い時に「がおった」と言うと気付いてもらえやすい可能性も?!
第4位:こわい(北海道、福井、茨城、栃木など)(676票)
4位は「こわい(北海道、福井、茨城、栃木など)」!
- これは分かりにくいと思います
- 福岡じゃ恐ろしいという意味です!
- 疲れたときは『体がこわい』と表現しますよ
- よく使うので、普通だと思いましたね
「こわい」は北海道、福井県、茨城県、栃木県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。「あー疲れた、疲れた」という意味で「あーこわい、こわい」と言ったりします。逆に、標準語での「怖い」を意味する方言は、北海道、茨城県、栃木県では「おっかない」や「おっかねー」に、福井県では「おとろしい」になります!
第5位:えらい(大阪、愛知など)(536票)
5位は「えらい(大阪、愛知など)」!
- 初めて聞いた時は 『あんたはエライ』の事だと思った
- 山口県もえらいと言うけどね!
- 兵庫県民ですがとても馴染みのある方言です
- 関西ならではの心の中のしんどさを表現しているように思う。何気ない言葉だが、重みが伝わって来る振動が感じられる
「えらい」は大阪府、愛知県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。「身分が高い」ことなどを意味する「偉い」と同じ発音なので、他地域の人は混乱するかもしれません。しかも、同じ大阪・愛知でも元々関西弁由来である「しんどい」を使うこともあり、「えらいしんどい」と言う場合も。この場合、「えらい」は「とても」の意味になります。どちらの意味で使っているか判断できるようになったら、方言マスターですね!
第6位:おたった/こいじゃ(青森)(533票)
6位は「おたった/こいじゃ(青森)」!
- 『おたった』と話されても意味が分からないと思います
- とてもユニーク!
- 響きが変わっていて、意味がまったく想像できない
「おたった」や「こいじゃ」は青森県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。青森県の中でも特に津軽地方で使われています。「おったる」や「おったってまる」は「疲れる」という意味、「おったってまった」は「疲れてしまった」になります。ちなみに「こいじゃ」の方は、若者には「来いよ」という意味でも使われています。さらに鹿児島県で「こいじゃが!」というと、「これだ!」の意味なので、間違えないようにご注意を!
第7位:まぐれた(長崎など)(525票)

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7位は「まぐれた(長崎など)」!
- まぐれがおきた?
- 転んだって意味っぽい
- 長崎出身なので、よく聞きます
- 長崎県だけど初めて聞いた。今は使わない言葉?
「まぐれた」は長崎県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。ちなみに「驚く」という意味もあります。「とても」という意味の方言「きゃー」をつけて「きゃーまぐれた(とても疲れた)」といった言い回しをします。また、若い年代では同じ意味の方言「ばり」を使って「ばりまぐれた」などと言います。あなたならどっちを使ってみたいですか?
第8位:ものい、ちきない(石川など)(458票)

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8位は「ものい、ちきない(石川など)」!
- 能登地区の方言ですか。面白いですね
- 初めて聞いた
- 金沢と能登でもまた違うのが石川県の良さだよね
「ものい」や「ちきない」は石川県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。ちなみに「ちきない」は主に能登地域で使われます。「とても」という意味の方言「まんで」と組み合わせて「まんでちきない(とてもしんどい)」といった使い方をします。その反対の意味の「大丈夫」を意味する方言「なっとない」もあわせて覚えておきたいですね!
第9位:こうぇー(岩手、秋田など)(437票)
9位は「こうぇー(岩手、秋田など)」!
- 響きが面白い
- 『怖え〜』という意味だと思ってしまう
- 元々の意味を全く感じさせないユニークさ!
「こうぇー」は岩手県、秋田県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。秋田県の方言で「すごく」を意味する「しったげ」と合わせて「しったげこうぇー(すごく疲れた)」といった使い方をします。ちなみに「しったげ」の語源は「死ぬだけ(死ぬほど)」なので、「死ぬほど疲れた」と言っているのとほぼ同じかも?!とても疲れていることが良く伝わる方言ですね!
第10位:けったりー(埼玉、茨城など)(425票)
10位は「けったりー(埼玉、茨城など)」!
- なんとなく伝わる
- 蹴ってやりたいくらいしんどい、みたいな?
- かったりーと聞いたことがある
- たまに使う!
「けったりー」は埼玉県、茨城県などで使われる「疲れた・しんどい」という意味の方言です。「腕だるい(かいなだるい)」が「かったるい」になり、そこからさらに「けったるい」、「けったりー」に変化しました。元々は「腕がだるい」だったのが、言葉の変化とともに意味も変化して体全体での疲れやしんどさを表すようになったのが面白いですね!
地域によって違う「疲れた・しんどい」おもしろ方言ランキングベスト10
以上、10~50代の男女(性別回答しないを含む)8,663名が選んだ<地域によって違う「疲れた・しんどい」おもしろ方言ランキング>でした。
有効回答者数:10~50代の男女(性別回答しないを含む)8,663名
調査日:2025年5月13日